炉灰、湿し灰を作る
☆2024版 ~ 今年は風炉灰も作る
・08/01 乾燥した灰を <灰ダマを潰す→篩う> の作業を繰り返すのだが、新兵器?投入。カゴ(ランドリーバスケット、冬場は薪入れ)に棒を渡しその上に篩を設置。以前使っていた発泡スチロールの箱がダメになったためなのだが。
風炉灰用の篩到着。120目と表示されていた。右側の小さな篩のセットは以前茶道具屋で購入した篩。少量篩うのであれば問題ないが毎年2、30㎏ともなると手間がかかる。今後に期待。
・07/27 蓋の割れ防止に取手を付けた。後は蓋を一回り小さくする必要があるが、鉋が無いので購入予定。
風炉灰の作り方をネットで検索していたら篩をかけるときにパチンコ玉を入れると早いと出ていた。そういえば茶ふるい缶に「ふるい金具」をいれてふるうのがあった。
手持ちの絹目篩の径が小さいので30cm程度の篩が欲しくてネットで検索。と・・、「目」と「メッシュ」の表示あり混乱したが 「目×0.8≒メッシュ」のようだ。
陶芸用で100メッシュ、φ29cmがあったので注文。120目相当の篩となる。
・07/26 炉灰作り 20㎏×2回処理。 前シーズンで出た灰の処理は水越~袋吊りまで完了。後は乾かすだけなのだが天気がいまいちで進まない。
・07/25 注文した酒樽到着。蓋を外す作業をする。
蓋を再利用するので箍(タガ)をゆるめて蓋を外す。鏨に厚紙を巻き隙間に入れてたたく。はじめはなかなか下らなかったが1cmを過ぎたところでストンと下った。上段も同様にして箍を下げる。箍が下ったところでバールで蓋を外す。中はきれいで若干のお酒の匂いと杉の香りがする。
箍を元に戻して作業終了。蓋には割れ防止の取手を付ける予定。小一時間で作業終了。
・07/23 昨日水越した灰を乾かす。天気がいまいちなのか夕方でも「湿し灰」の状態。これはこれでOKとする。
・07/22 梅雨はまだ明けないが天気が良いので今年の炉灰作りを開始。約20㎏を水越~袋吊りまで完了。
・炉灰は過去のストックがあるので「風炉灰」へチャレンジ。風炉灰としてあったものを絹目の篩で再度ふるう。目が細かいので時間がかかる。これはこのまま風炉用(上)として保管。
・「茶の湯実践講座 風炉の灰形」を見ていたら黄色灰(ふくさ灰)の作り方が出ていた。ゴミを取り除き絹目の篩でふるった後、湿った灰を酒樽に入れて保管する。ということで早速ネットで酒樽(2斗、36リットル)を注文。酒樽到着まで半分の18リットルを絹目の篩で準備することにする。
☆2023版 ~ 工夫してます Part2
・08/12 今年はここみちのくでも暑い日が続き、過去に作っていた炉灰を再度「水越」して作り直した。お盆前にほぼ作業を終了。
乾燥具合を見ながら数度に分けて篩い(細目)、完全乾燥状態で保存。なかなか完全乾燥状態にはならない。
1か月ほど前に時間がなく荒乾燥(塊がピンポン玉程度)していた灰も、玉を潰して乾燥。時間があきすぎて潰すのに手間取る。
・07/14 水越処理後の乾燥時、色の違いに気づいた。ストーブから灰を出すタイミングの違いか?
・01/08 ストーブの灰がたまったので篩っておくことに。ストーブを焚き始めてから約2ヵ月間で10㎏の木灰が取れた。
右側の缶は篩いの目を通らなかったもので(1/3は大きな屑となる)底灰として再度ストーブへ戻す。
ストーブ灰を篩う | 色が違う |
☆2022版 ~ 工夫してます
今年は梅雨明けが早く、例年より早く作業を開始。
篩った灰に水を入れ炭クズを掬った後、「水で漉す」という工程を追加した。このときに使用するのは園芸用篩の細目。これにより「袋吊り」するときにバケツの底に残る砂状のものが無くなった。 袋吊りは水が染み出なくなったら縛り直して一晩吊るす。
灰の乾燥途中で「湿し灰」を作る。番茶、丁子などの煮汁をかけて色づけする方法もあるようだが、保存によってはカビが出ることもあるようなのでそのままで作る。
①約10㎏の灰を小さなバケツ(13ℓ)に分割 | ②水を注ぎかき混ぜる | ③浮いてきた炭クズを掬う |
④しばらく置いて上水をすてる ②~④を2~3度繰り返す |
⑤何度か繰り返すと上水が澄んでくる | ⑥炭クズが取れた状況 |
⑦灰を良くかき混ぜ篩へ灰を置く | ⑧灰を水で漉す(網は細目) | ⑨取り除いたカス ※以前よりカスが取れる |
➉カゴに風呂敷をセットする | ⑪よく混ぜてカゴにあける | ⑫絞って水を切る。水が切れたら再度絞る |
⑬一晩袋吊りした灰 ※ここまでは天候に関わりなく作業できる |
⑭天日で干し、手で揉んで細かくする ※放置すると灰ダマが硬くなるので適時に |
⑮適度な乾燥時に振るって「湿し灰」にする |
⑯完全に乾燥させ「炉灰」にする | ⑰篩に残る灰ダマは竹箆で漉す |
☆炉灰を作る ~以前のバージョン
山での焚火、そして薪ストーブの灰を有効利用するため調べていたら「千翔堂ほり」さんの「お茶の灰を作る」というページに出会った。
詳しい手順は上記HPを見てもらえばわかるが、とりあえず園芸用篩(荒目)ので軽く篩っておいた灰を洗って干す所から始める。
山の焚火で出た灰は文字通り「灰色」。これに水を入れると大量の炭クズが出てきた。「篩で掬う→水を追加しかき混ぜる」を数回繰り返してもきれいにならないので早々にあきらめ、薪ストーブの底灰に使うことにして山灰の作業は終了。一度薪ストーブの底灰に使うと高温になるので細かい炭が燃えてなくなるようだ。
薪ストーブから出た灰は高温で焼かれているせいか少し茶色がかっている。水を入れると泡と細かい炭クズが浮いてくる。この泡と炭のクズを100均で買った 料理用の篩で掬う→水を追加しかき混ぜる という作業を数回繰り返す。
「湿し灰」の作り方を調べていたらこの時に灰と水が混ざっている状態で篩に通すと良いと出でいた。(※1)
上水を捨て、籠の上に広げた化繊の風呂敷の中にあける。これは「千翔堂ほり」さんの改良版を参考にしているのだが、ここに日本酒の「雫しぼり」と言われる「袋吊り」を追加した。この時の注意することは、残り1~2割になったらかき混ぜて素早くあけ、底にたまっている砂状のものを残す事。しかし、木しか燃やしてないのに何故砂状のものが出る。これは何なんだろう?
水が出なくなったらこれをゴザの上に広げて乾燥させるのだが、適当な隙間のある100均のレジャーシートが水も切れて灰も無駄にならない。
ある程度乾燥したら篩って土嚢袋に入れて保管。 篩う時に完全に乾いていないので「ダマ」ができる。この時、篩に残るダマを竹箆でこすってとおす(※2)。
そして、使用する特に再度、炉灰用の篩で篩って使用する。
そう言えば・・と気になって、炉に必要な灰の量を調べてみた。「千翔堂ほり」さんによると7.5~10キロのようで、灰の量を節約するため炉壇に耐火煉瓦を入れるという話もあるくらい「灰」が貴重品になってしまっている。自分の身の回りで灰といえば仏壇の線香と蚊取り線香くらい。
私の「一瓢庵」にも二つ炉が切ってあるので灰を茶道具屋さんから買って用意をした。その頃は本当に「貴重品」の扱いだった。
※1 青峰堂 六方式灰篩
※2 お茶の味 京都寺町一保堂茶舗 渡辺都 著
焚火の灰 ・・ 黒い | 掬った炭クズ | 焚火の灰を袋吊りしたもの 炭クズが残っている |