住宅メーカーの和室
住宅メーカーの和室は、一流メーカー、地元メーカーを問わずお茶ができないと思ってよい。そもそも、和室は手間がかかるせいか部屋数そのものが少ない。ともすると、全く和室がないという一戸建ても珍しくない。
住宅雑誌に茶道具をならべて「お茶ができます」といった広告もあるが、その道具配置さえめちゃくちゃなものがある。
設計士がお茶を知らないか、知っていても営業上無理ができないのだとは思うがちょっとした工夫でなんとかなるのが多い。
本格的な茶室は勉強しているが、生活に密着した茶室を勉強していないのが原因の一つではないかと思う。
下記の点を注意するだけでお茶のできる和室ができると思うが・・・。
①床の位置が左右逆である。
・床のある壁面に向かって左側に床があるのがほとんどである。これを右側にするだけでお茶がしやすくなる。
②水屋の位置が悪い。
・廊下の端に水屋を設置してあることが多いが、これも間違い。水屋は亭主側、つまり家の中心よりに設置することが必要。
・和風住宅実例集(H企画社)にこの例が紹介されていた。ご丁寧に縁側に炉が切ってある。いろいろ事情もあると思うがこれを参考にして作った日には・・・。
③床柱、框に高い材料を使いすぎる。
・施主の希望もあるだろうが、床柱、框に良い材料を使いすぎる。まるで旅館やホテルの和室みたいな、大広間に使うような材料を持ち込んでしまう。