淡川康一

1.基本情報
 ・あわかわ こういち  1902(M35)~1977(S52)
 ・明治35年京都市生まれ
 ・昭和2年京大経済学部卒直ちに名高商・八高教授に就任
 ・後ち立命館大教授を経て大阪学院大教授
 ・大谷大・花園大禅文化研究所・裏千家茶研修所 各講師
 ・経済博士
 ・淡川禅画楼を自宅に開設

2.号 適軒、後菴、淡庵、古西軒

3.印
 ・寛以居  君子學以聚之 問以辯之 寛以居之 仁以行之     「易経」より
        君子は學以て之を聚(あつ)め 問以て之を辯(わか)ち 寛(かん)以て之に居(お)り 仁以て之を行之う

4.書籍
 ・淡川庵詩稿
 ・続  〃
 ・茶掛けとしての禅画
 ・禅画 描き方と観かた

5.区分

区分 内容
故事、老子
山水、四君子
七福神 恵比寿、大黒・・・
書のみ
達磨、寒山・拾得
釣釜
如来、菩薩、観音、閻魔大王
龍、芭蕉、蕪

区分 Sub 内容 姓名印(白文印)/雅号印(朱文印) 表装 引首印(関防印)、その他
老子
老子出関図
何労説示 道自前存 不逢関令 無五千言
 続p58

淡川庵康/寛以居

無残亭
老子
老子出関図 関令不逢 無五千言

淡川
老子
老子出関図/不逢関令 無五千言

康之印
荘子
莊子夢胡蝶圖

淡川庵康/寛以居
二段 無残亭

嬌世腐儒諳五經 弄來空理倚書櫺
莊周寓話何其巧 迷夢逍遥猶未醒 詩稿p41

兎と亀

淡川

遅鈍却勝狡兎三〇
十牛
鳴鹿〇哀更断腸

淡川庵康/寛以居

〇丁
十牛
牛善牧童

適軒
禅画p311
十牛
牛善牧童
禅画p311

蜆子和尚図

適軒
謀食不破戒 禅画p291

蜆子和尚図

淡川庵(ひさご)
謀食不破戒
 禅画p291

蜆子和尚図

淡川庵(ひさご)
謀食不破戒
 禅画p291

水月図

淡川
手わむすぶ水に宿どれる
月影のあるかなき
かの世尓も住む

水月図

淡庵
手わむすぶ水に宿ど
れる月影のあるかな
きかの世尓もすむ哉

水月図

淡庵
手わむすぶ水に
宿どれる
月影の
あるか
なきかの
世尓もすむ哉

野狐賛

寛以居/淡川庵康

無残亭
白蔵主図賛
僧徒殊勝礼金仙 身着緇衣頭似円
却問道心空索索 大方應是野狐禅 続p40

野狸賛


大方の世捨て人には心せよ
衣は着ても狸なりけり

野狸賛

淡庵
大方の世捨て人には心せよ衣は
着ても狸なりけり
 禅  狸
禅寺や化け損なた狸哉 

茶   

盲人提燈図

適軒
博学而無智慧如盲者執燭 禅画p217
豊干
道力馴乕

淡川
豊干 寒山・拾得の師匠
寒山拾得
風伝松葉一〇

淡川闇
寒山拾得
寒山と拾得と語る落葉哉

禅画p307
寒山拾得
我心似秋月

淡印
寒山
弁論大学~

淡菴
寒山
吾心似秋月

淡庵
拾得
落葉両三斤

西風一陣来、落葉両三片 禅画p308
香巌
満面清風

香巌撃竹 きょうげんげきちく
 唐、鄧州香厳山の智閑禅師
香巌
満面清風

香巌
満面清風

淡川庵
香巌
満面清風

適軒
香巌
満面清風

適軒
香巌
満面清風

適軒

箱書 大亀老師

大燈国師受瓜図/悦夢人元是夢中


達磨
元来鼻孔掛唇辺

軽財学博士淡川康
※仙厓印可の句
 釈迦入滅二千歳 弥勒下生億万年
 大地衆生難委悉 元来鼻孔掛唇辺
達磨
元来鼻孔掛唇辺

軽財学博士淡川康
二段 ※仙厓印可の句
達磨
元来鼻孔掛唇辺

軽財学博士淡川康
※仙厓印可の句
達磨
元来鼻孔掛唇辺

軽財学博士淡川康
※仙厓印可の句
達磨
元来鼻孔掛唇辺

軽財学博士淡川康
※仙厓印可の句
達磨
元来鼻孔掛唇辺

淡印
※仙厓印可の句
達磨
蘆葉達磨/音もなく~

淡庵

音もなく香りもなく文字
もなき道は片足の履(くつ)
にあしの葉の舟
仙厓道歌 禅画p50
禅  達磨 
蘆葉達磨/音もなく~ 
 
淡川
 茶  
達磨
蘆葉達磨/元来鼻孔掛唇辺

適軒
達磨
(廓然)無聖

淡庵
達磨
一耕消〇魔

軽財学博士淡川康
山水
水墨山水

寛以居/淡川

〇丁
短艇閑無釣 峯巒(ほうらん)一ゝ〇
樵蘇(しようそ)ゝ〇〇 〇在水〇〇
山水
水墨山水


短艇閑無釣 峯巒(ほうらん)一ゝ〇
樵蘇(しようそ)ゝ〇〇 〇在水〇〇
山水
遠寺鐘聲図
 遠有山鐘韻 殷々隔 〇聲 村家聞妙偈
 畧彴入雲〇

淡川庵康/寛以居

遠く山鐘のひびきあり
殷々(いんいん)として渓をへだつる聲
村家妙偈を聞く 畧彴雲に入しむ
 ※略彴(シャク、ハク) まるきばし
山水
遠寺鐘聲図

寛以居/淡川

山水
風雨山水図

淡川庵康/寛以居

無残亭
上律天時 下揺水土
陰者亦随 快哉風涼
山水
山水図

淡庵

訊(たずね)るなよ籬~菊の花

淡菴

東籬秋色

淡菴

竹風颯々図/葉々清風起

淡川

墨竹図/四季清風

淡川康一
筋分け
二段

萬古清風

寛以居/淡川


墨梅図/雪情

寛以居/淡川

〇丁

屹在風霜

淡川庵

〇古

屹在風霜

淡川庵

〇古

墨梅月図/梅月〇清香

淡庵

墨梅図/屹在風霜〇〇〇

寛以居/淡川

左下 適軒

墨蘭図 幽谷君子

淡川禅画楼印
葡萄
葡萄図/味〇秋霞

淡川闇
三福
三福を一福にして大福茶

淡庵
三福
三福を一福にして大福茶(大)

古西軒/淡川康印

無残亭
三福
三福を一福にして大福茶

淡川庵
三福
三福を一福にして大福茶

淡川菴
恵比寿
大黒

朝ゑびすで夕は大黒也

淡庵
恵比寿
福の神

恵比寿
福の神

淡川庵
恵比寿
今年こそ商売繁昌大請合い

淡庵
恵比寿
釣りあげてくい福神~

適軒
恵比寿
釣れた~

淡庵
恵比寿
財神釣河豚図

淡川庵(ひさご)

足る事をしれはこそあれ福の神
鰒釣たら鯛なくとも 禅画p309
恵比寿
仙厓恵比寿


足ることをしれはこそあれ福の神
二疋鯛釣る恵比寿なけれは
大黒
福大黒

淡川
大黒
福大黒

淡川
大黒
福大黒

淡川
茶掛け
大黒
大黒もいつまで布袋

淡庵

大黒
大黒もいつまで布袋

淡庵
大黒
福大黒

淡川
寿老
鶴千年我天年

淡庵

寿
寿老
鶴千年亀萬年我天年

淡川庵康/寛以居

寿老
鶴千年亀萬年我天年

淡川禅画楼印
寿老
月耳吾亦在天

適軒
二段
寿
寿老
月耳か我命亦在天

淡川
布袋
放下布袋解脱受全

淡庵
布袋
閑伴鬼童~

淡川禅画楼印
二段
布袋
龍〇~

寛以居/淡川庵康

〇丁
布袋
龍〇~

淡庵

龍 未来 極 轍魚眼
布袋
布袋指月

淡川
布袋
標月不忘指

淡庵
二段
布袋
あの月が欲しくばやらふ取に行け

淡庵

布袋
あの月が欲しくばやらふ取に行け

淡庵
二段
布袋
あの月が欲しくばやらふ取に行け

布袋
あの月が欲しくばやらふ取に行け

淡川闇
布袋
あの月が欲しくばやらふ水を見よ

淡川庵
布袋
魚〇酒肆随〇好

淡菴
酒肆 しゅし
布袋
魚〇酒肆随時〇

適軒
酒肆 しゅし
布袋
一袋を〇翁〇矛盾なり

淡川庵
布袋
〇布袋〇放下〇解脱〇

淡川闇
布袋


弄世肆志堯舜民 駸駸経済染紅塵
清蔭七哲長汀子 唯上毫芒笑殺人 禅画p313
布袋

淡川庵
弄世肆志堯舜民 駸駸経済染紅塵
清蔭七哲長汀子 唯上毫芒笑殺人
 禅画p313

 長汀子 布袋和尚
 七 布袋  茶   

時就閒(ときにかんにつく)

寛以居/淡川庵康
茶掛け
時就閒 時期をえて、身を静閑の地におく

高〇以全其表意身如

淡川庵康/寛以居
茶掛け

随所為主 ずいしょいしゅ

淡川
茶掛け 随所作主 立処皆真 ずいしょさしゅ
 臨済義玄禅師

廓然無聖

寛以居/淡川庵康


玄猿抱子胸山中

淡川

適雨〇〇

行脚十年二十年

淡川庵康/寛以居


春風無高下

淡庵
茶掛け

煖香一炉満宝如〇

寛以居/淡川庵康
茶掛け

登比良山

淡川康印/淡庵
茶掛け
暮雪痕消窓外涼 比良山頂入青空
動梯能省攀登苦 一碧琶湖漸現中 続p67

山寺賞楓

淡川康印/淡庵
茶掛け
上方飛閣絶繊塵 驟雨忽晴山色新
満耳渓聲紅錦裡 宛然見是宋詩人 続p70

書状 伊藤岩〇あて

茶掛け
拾月仲〇付短礼
茶   茶碗  
欠け茶碗賛 楽茶不選具
 
淡川庵康/寛以居
 茶
 
釣釜
釣釜図

寛以居/淡川
茶掛け
〇丁
中峰明本禅師  禅画p293
 月印前街連後庵 茶呼東舎与西隣
 客来不用論賓主 篆縷横斜満屋春
釣釜
釣釜図

適軒
茶掛け
釣釜
釣釜図/月~ 茶~

淡川
茶掛け 月印前街連後庵
茶呼東舎与西隣
 中峰明本禅師  禅画p293
釣釜図/未表装
釣釜
〇嵐翠 吟〇茶

寛以居/淡川庵康
茶掛け
釣釜
喫茶去

淡川庵
茶掛け
柄杓
柄杓

淡川
茶掛け 寒熱の地獄に通う茶柄杓も
心無ければ苦しみもなし
柄杓
風炉釜と柄杓

淡川闇
茶掛け


茶掛け 爐〇涼炭竢松風
茶人
よくすくえ茶ばかりでなし余(われ)国を

淡川庵
二段

売茶翁

淡川庵
茶掛け

茶筅売り

淡菴
茶掛け
年の瀬〇〇姿こそ〇〇〇

瓜図

寛以居/淡川
茶掛け
〇丁
瓠子(曲)彎々(冬)瓜(直)儱侗(ロウトウ:未熟)
 (ヒョウタン)はまがりてわんわん~ 禅画p299 

瓢満亭

淡庵
茶掛け 金貯めず無瓢満たして風流や

辯論文筆客~

寛以居/淡川庵康
茶掛け
辯論文筆客説去時来轟
乞見葫蘆(瓢)酒虚充共不鳴
 淡川庵詩稿・続〃  記載なし

辯論文筆客~

寛以居/淡川庵康
茶掛け
無残亭
辯論文筆客説去時来轟
乞見葫蘆(瓢)酒虚充共不鳴

辯論文筆客~

寛以居/淡川庵康
茶掛け
辯論文筆客説去時来轟
乞見葫蘆(瓢)酒虚充共不鳴
観音
円通大士

淡庵
茶掛け 円通(えんづう)大士=観世音菩薩
観音
円通大士

茶掛け 円通(えんづう)大士=観世音菩薩
観音
水月観音図

淡庵
茶掛け 人間萬事如〇
観音
水月観音図

淡庵
茶掛け 人間萬事如〇月
観音
夕顔観音

淡庵
茶掛け 夕顔や朝萎まず祝〇
鍾馗
正気除邪鬼

淡川庵
茶掛け
鍾馗
正気除邪鬼

淡庵
茶掛け
鍾馗
正気除邪鬼

淡川庵
茶掛け

雲龍

淡印
二段
芭蕉
古池や~

淡庵
茶掛け
 他 蕪菁 
蕪菁(かぶら)図 

寛以居/淡川庵康 
二段 
清蔬一種慰吾思 厨下時新白紛施
禅画p73 



※参考
 ・佐々木絶学軒 禅画研究家、陰陽研究家
 ・淡川に傾倒。北九州市小倉在住か?

三福

三福を一福にして大福茶

絶学軒/〇
茶掛け